最終更新日2025.06.05

成城東パティオA棟・B棟

- 竣 工
- 2024年
- 最 寄 駅
- 小田急電鉄小田原線 祖師ヶ谷大蔵駅 徒歩15分/成城学園駅 徒歩19分
- 構 造
- 2階建、木造、A棟4戸/B棟4戸
- 特 徴
- 世田谷の閑静な住宅街の木造メゾネット。細長い区画を有効に活用するために、2棟建の賃貸住居として計画された。2棟の中央に設けた美しい中庭が、当該物件の特長となっている。A棟は単身者向け、B棟はファミリー層向けとなっている。
周辺環境に配慮し、木造の賃貸物件に。
圧倒的なコスパと耐久性を誇るRC造を薦めるのが弊社CCSの得意分野ではあったが、今回は施主の強い要望に従って木造の賃貸アパートが計画された。施主様は安土桃山時代からの古い地主でもあり、周辺地域への深い配慮によりRC造は見送られることとなった。また、施主様とご懇意の工務店への委託が決まっていたが、この機会に木造に優れた工務店をゼロベースで見直すことを推奨して、施主から受け入れていただいた。結果として大幅なコストダウンと短納期による施工が実現した。
細長い敷地をいかに有効活用するか、欠点を利点にする。

500㎡以上の細長い敷地に1棟建なら条例に抵触する。建築申請していると希望の工期に間に合わない。そこで、着目したのが敷地に二箇所の接道があることだった。これならば、同時進行で2棟建が可能で、建蔽率の確保として中央に中庭を配置するプランが立案され、円滑に開発が進んで行く。 施主様の希望は、「全戸で10戸、ワンルームと50㎡程度の1LDKを最低4戸」。そこで1棟をファミリー層向けのメゾネット(階段のある2フロア仕様)にし、もう1棟を単身者用のワンルームとしての設計プランが採用された。
駅から遠い立地につき、居住性を最大化。


近隣に質のよい広めのワンルームアパートが供給不足だということで、A棟の共同住宅を30㎡のワンルームとして単身者向けに、B棟は、2人暮らしや小さなお子様がいる家庭を想定したファミリー層向けに。駅から徒歩16分程度要する立地に配慮して、居住性の高い住居として詳細を詰めていった。








共有部分にもしっかりこだわる。

もっともこだわった共有部分のひとつは中庭だ。外部からは進入できない場所に配置したことと、専属の植木屋さんと長い付き合いから定期的なメンテナンスが可能だったことで、植栽計画は非常に高い自由度がった。そのため建築以上に、設計に悩んだ。結果として、住人が自由に食べられる樹を植えるプランを提案し、施主様からは大好評で受け入れられた。





モデルルーム戦略
居室の一部をモデルルームとして公開する販売戦略を今回も踏襲。あっという間に、入居者が決まった。









まとめ
竣工したこの物件を振り返ると、順風満帆に終わったように感じられるかも知れないが、事実はそうではない。施主様が絶大な信頼を寄せていたはずの工務店が、信頼を失墜させるような挙動を取った。代替わりという事態を迎えていたこともあるが、悪質な対応を取ってきたのだ。そこで、急遽別の選択肢を探し出して、優れた工務店を見つけることができた。遅れた工期を挽回するだけでなく、コストダウンも実現した。さらには、檜づくりの贅沢な住居を低価格で提供することで定評があった。委託実績のない相手との共同作業ではあったが、弊社が誇れるお客様ファーストを実現できたことを満足している。もちろん、その満足感を施主様とも共有している。
