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建築の3D空間に、2Dのアートやデザインを加えた際に生じる「効果」を検証するコンテンツです。

3D+2D

第1回

空港に向かうときの高揚感

国際線の空港に向かうときの高揚感が好きだ。今いる日常から別の非日常への結節点として、空港は人の意識に影響を与えて、気分をあげてくれる。知らない国に向かうのであれ、何度も行ったことのある国であれ、プライベートであれビジネストリップであれ、そのワクワク感はいつでも大きいのである。 であるならば、空港風の内装を自宅に取り入れるとどうなるだろうか? 果たして、空港の高揚感を擬似的に再現できるものだろうか?

さっそくグラフィカルなアプローチで試してみたい。まず、フライトボードをテレビ画面に取り込んでみる。確かに空港らしい気もするが、あってもなくてもどちらでも良いような風采だ。

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空港らしいサインを取り付けてみるとどうだろう? 玄関を搭乗ゲート風にしつらえてみる。

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空港らしさは演出されるものの、これではかえって虚しい。決してフライトできない情報が室内に付加されただけで、まるで鉄道オタクの部屋のようになってしまう。「飛行機すきなんだ?」「いや。。そいう訳ではなくて。。。」会話のフックにはなるかも知れないが、手間ひま掛けて敢えてこんな空間にはしたくない。ここで、課題設定についてもう少し踏み込んでみる。おそらく、室内を空港に似せようとすること自体が、そもそも無理があるのだ。非日常への接続を希求する高揚感を、絵画であればある程度までフォローできるかも知れない。たとえば、こんな絵を飾るシミュレーションをしてみる。

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この絵画が良いか悪いかはここでは問わないこととして、お題に対して「いかに適切に」絵画を配置できるかを検証してみたい。まずは、リビングに。

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正直、やや情報過多な印象だ。なぜならば、非日常感を演出するにはあまりに目立つ配置のため、時間経過とともに日常の光景にすり替わってしまうからである。つぎに、階段への設置を検証してみたい。

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螺旋階段をゆるやかに上下移動するわずかなタイミングで目に映るため、非日常感の持続効果が見込めるうえに、鑑賞者に移動を強いることで、身体性と相まって高揚感の度合いが高くなるはずだ。感受性の個人差はあるかも知れないが、リビングに飾るよりも相応しいことは確かだろう。3Dの空間と2Dの平面をどのように融合させていくべきなのか、考えていく機会は必要だと思う。

文・写真:竹中隆雄

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